ボトルソウドウ

2020年 12月 01日

ハケへの再訪

何年も前に掘っていたハケを再調査しようとIさん、Ａさんと行ってきました。前回掘った反対側を確認すると年代は若めながらも多く埋蔵しています。ハケらしいハケを掘るのはこれが初めてではないですか？などと話します。IさんがサークルK神薬など出し好調なスタートを切る中、私もサークルKや戦前の厚生師天堂など掘り出します。この辺掘ったとこかな？と思いながらも掘っていなかったようで結構出てきました。

そんな中でIさんが「共栄のあんま水か」と呟いています。共栄のあんま水？？聞いたことありませんが！？

手に取って見ると間違いなく共栄のあんま水でした。

共栄と言えば神薬が売れ筋商品だったようで日本全国で発見されています。稀に赤チンも見つかっていますがあんま水は未だかつて見たことがありません。まだまだ未見の瓶は存在するのか・・

そんな超貴重な瓶をご厚意で譲って頂きました。。(大感謝)

こちらでは珍しいデカペロも。

その後、またしてもIさんが

「あ〜これ絶対先生好きなやつだ」と声が聞こえてきます。

(先生とは私のあだ名であり実際には先生ではありません)

えぇ？なにか凄そうですね！？

仁盛神薬！！！

仁盛堂の事はつい最近知り神薬は存在するのか？と思っていたところでしたがいつも発見されるタイミングが良すぎるんですよね・、またしても譲って頂きました。。

仁盛堂の前身である会社の神薬も存在を確認しており、今後見つけたいと思います。

組合、コデチン、ミツエ糊なども出ました。

神薬はサークルK、トヤマ廣貫堂、厚生師天堂なども。

掘り出すと何故か嬉しいインキ瓶も沢山出ました。

パピリオ、鹿印の練歯磨きの蓋などなど。

# by tbs-hrk | 2020-12-01 22:00 | ハケ | Comments(4)

2020年 11月 17日

最近の活動

IさんやAさんとの活動記録です。

最近は一人ではなかなか探しに行くことがなくなっていましたが熱意あるお二人のおかげでこちらもパワーをもらい再び活動的なディギングライフを送るようになりました。(そもそも一人だけで活動するって勇気や行動力が必要で相当大変なことなんですよね。。)

9.11

探索へ行く途中に寄った神社の既ハケを案内していると転がっていた富山薬剤會社の神薬。ここは基本表面にあるのは昭和20年代以降であり、たびたび車も通る場所です。何度も通ったけど初めてこんな風に戦前の神薬を見つけたのは初めてです。

10.2

何年も前に割れたものを見つけたムロタ神薬の話しをしながらその破片を拾ったハケを案内をしていました。到着後、Iさんと本ハケがある奥に移動するけれどAさんはこちらへ来られず・・本ハケはこっちの方ですよ、と思っているとAさんが慌てた様子で

「あ、ありましたー！」

と飛び上がりながら何かを握りしめています。なんだろう？両口式目薬か戦後の神薬か・・・見に行くとビックリ！念願のムロタ神薬でした。

な、なんとご厚意で譲って頂きました・・・

大感謝です。。

ハケに案内したのは私ですが、何度も見ているからと素通りした場所に転がっている。。。

しかし第一号とは一体・・・大きさの事でしょうか？

10.30

いつもの集落跡へ行くと、前回堀った場所に転がっています。

割れてるとは分からず無念。しかもサイドにエンボスがあるではありませんかー！？

明治期はあろう薬王堂製。背面のパーツは見当たらなかったけど、凄いなぁこれは・・

そして場所を移動し既存のハケを紹介しているとIさんが掘り始めました。通り過ぎるつもりがそれならと隣で少し掘っているとポロリ。なんか出たぞ？

てっ寺田の神薬だぁー！！

神薬は大概何処でも作っているとは思ってはいたけれどまさか掘り出す日が来るとは心底驚きました。掘り初めて下さったIさんに感謝しつつ、なぜこのタイミングで寺田製なのだろう？

売薬にのめりこみ深く考えるようになればなるほどディープな瓶が見つかるようになってきたのは偶然だろうか。。。

11.9

Iさんと二人で集落跡へ。既ハケを探り、隣の集落跡へ移動する前に寄った場所を再調査していると戦前の瓶が出てくるではありませんか。周辺に隠された戦後の大量の瓶を見つけテンションMAX。その中から念願のサカヰ神薬を掘り出すことが出来ました。

もう1本はIさんが掘り出したのをトレードして頂きました(大感謝)

以前購入していたスクリュー栓のもの、そして今回コルク栓タイプを掘り出し、ようやく揃うことが出来ました。

# by tbs-hrk | 2020-11-17 00:00 | 集落跡 | Comments(2)

2020年 11月 04日

まるで夢のようなある日の出来事

久しぶりの投稿になります。これは時系列的には前回の記事より少し前の話です。

近頃は私自身や瓶趣味の世界にも大きな変化が訪れておりYouTubeやSNSから広まったディガー人口の増加、コロナウイルス、海外のコレクター、相場の変化、などなど詳しく書くことは出来ませんが、とにかく大きな変化があり、そしてそれは今も続いています。

SNS全盛の時代でブログを書く気力も失われて気が付けばコレクションは随分と増えていました。(コレクションと呼ぶべきか)

とある日、あれはまだ春が訪れる少し前でした。今思えば骨董市で初めて見つけた富山土人形の招き猫を少し無理をして買った時期と同じ頃です。その猫さんが招いてくれたかどうかは分かりませんし、あるいは私の瓶運が上昇する前触れとして猫との出会いがあったのかもしれません。

まぁ、それはどうでも良いことなので本題に入りますが富山売薬、薬瓶を蒐集していく上でとても重要になる方との出会いがありました。Iさんとしましょう。詳しくは省略しますが、その方のご厚意で明治期からあるそれは立派な蔵を見せて頂くことになったのです。しかも色々な事業の中で売薬業も営んでいた家だというではありませんか・・期待しない訳はありません！

我が家は祖父が山形出身であり仕事の関係でこちらに移り住んだため家も時代が若く古い蔵というものがありません。そんな私が初めて古い蔵というものに入らせて頂いたのでした。鍵を開けていざ薄暗い中へ足を踏み入れると・・沢山の埃が空中に舞っておりマスクなしでは入ることが出来ません。軍手を装着しライトを片手に辺りのものを見てみると昔の人は何でも大切にとっておいたと聞いたことがありましたがその通りで、今ではすぐに捨ててしまうであろう様々なものが大切に保管されていました。

ふと何かを包んだ布を広げてみると、継ぎはぎを繰り返したり色落ちしたり、長い年月を経た木綿の布はこれ以上ないくらい美しいと感じました。

とにかくあらゆる物の素材や質感、手作業のもの、デザイン、日常に使われた何気ない道具一つとっても美しいの一言に尽きるもので溢れていました。

そして肝心の薬瓶についてですが・・・

Iさんとタンスの中を探っていると私を呼ぶ声がしました。すぐに駆けつけるとIさんの手には神薬が有りました。

ラッパ口に、コバルトと違って初期の配置薬神薬によくある色味、そして頭に官許のエンボスが付いています。官許は明治期の薬袋にもよく見られますが、肩の形も珍しく他では見ない形状です。その後の定番となるいくつかの形が定まっていない頃、試行錯誤で自由に様々なデザインの瓶が作られていた頃のものでしょうか。資生堂から神薬が発売され、その後地方の売薬業者がそれぞれ作り、全国に広がっていく前のもの、あるいは初期のものだと思います。背面にエンボスがないため東京のものなのか、富山のものなのか分かりませんが、他では見ることのないとんでもなく貴重な神薬であることは間違いないでしょう。

他にも明治期の薬袋や売薬に関する資料も沢山見つかり、ご厚意で譲って頂くことになりました。紹介すると相場が上がってしまうので詳しく紹介出来ないのが残念ですが、底知れない魅力が潜んでいても一部の人しか気が付いていないものが存在しています。人が気が付いていない内にいかに集めることが出来るか、ということもコレクターや研究者にとっては重要にもなります。紹介したい気持ちに挟まれるのが辛いところなのです。。

ふとコップに包まれた新聞紙を広げてみると寺田せきとめ液の広告があったりして、とにかく私にとってはこれ以上ないくらい夢のような空間でした。ここでは明治、大正期のガラス瓶も見つかりましたが、それはまた機会があれば紹介したいと思います。